2008/05/17

痛快!コンピュータ学

痛快!コンピュータ学
坂村健 
集英社文庫
720円

 著者坂村健さんはTRONの開発者として有名なコンピュータの第一人者です。組み込まれたコンピュータのOSとしてTRONは世界で一番多く採用されています。代表的なものとして携帯電話が上げられますが、自動車、冷蔵庫、洗濯機、扇風機、電話機などパソコン以外のいろいろなところでコンピュータはわたしたちの生活を便利にする仕事をしています。 この坂村健さんが素朴な疑問、コンピュータの基礎をその仕組みと歴史からわかりやすく解説した本です。パソコンの使い方がうまくなるためのノウハウ本ではありません。しかし、この本を読み終わればパソコンがより身近に理解できることでしょう。ブラックボックスといわれるパソコンのなかでどういう作業がされているのか、現在のインターネットへいたる道筋、そして単に便利だというだけで終わらないパソコン生活の困った半面への注意までが書かれています。初版は2002年ですが内容は十分今の状況に対応しています。あっという間に内容が陳腐化するパソコン書の中ではめずらしい存在です。 最近言われている「ユビキタス」てなに?「どこでもコンピュータ」てどういうこと?「パソコンがなくなる」てほんとう? そういった疑問に答えてくれる本です。パソコンをしている方にも、これからしてみようという方にもおすすめです。

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